目黒労協:東京労働局長へ「地域別最低賃金再改正の要請」


12月16日午後、目黒労協として東京労働局長へ「地域別最低賃金再改正の要請」を行いました。

また東京地方最低賃金審議会にも、この要請を伝え、東京の最低賃金の早期再改定をもとめました。

労協役員、土建目黒からも参加いただき、東京労働局賃金指導官、3人に要請しました。

東京労働局長要請_提出版20221216 PDF

“東京労働局長要請_提出版20221216 PDF.pdf” をダウンロード 東京労働局長要請_提出版20221216 PDF.pdf – 63 回のダウンロード – 102 KB

東京最賃審議会御中2022_12_16 ____________PDF

“東京最賃審議会御中2022_12_16-____________PDF.pdf” をダウンロード 東京最賃審議会御中2022_12_16-____________PDF.pdf – 60 回のダウンロード – 120 KB

資料としては、以下を添付しました。まずは2022最低賃金改定のベースとなった中央最低賃金審議会・公益委員見解から

①中央最低賃金審議会 公益委員見解 2022年8月1日                             *物価指数のうち「持ち家の帰属を除く総合」3.0%を一定程度上回る水準を考慮。               *地方最低賃金審議会に「消費者物価等の経済情勢に関する状況認識に大きな変化を生じたときは、必要に応じて対応を検討する」ことを期待 など記されている部分に下線

物価上昇、最新の東京都区部11月分(11月25日)では大幅な上昇。上記公益委員見解が使用した「持ち家の帰属を除く総合」=住宅ローンなどの負担を除いたもの、では。3.0%をみていたものが4.7%にも。食料品や電気ガス代などはもっと上がっています。

労働局要請版20220801_令和4年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解

②2022年11月25日 消費者物価指数 東京都区部11月分(総務省)                     *総合指数 3.8%上昇  「持ち家の帰属を除く総合」4.7%上昇

労働局要請版20221125_2020年基準消費者物価指数

そこで、公益委員見解の「地方最低賃金審議会に「消費者物価等の経済情勢に関する状況認識に大きな変化を生じたときは、必要に応じて対応を検討する」ことを期待」にもどり、東京最低賃金審議会としてどう考えるか? ただちに東京労働局長は、東京の最低賃金再改定にむけ、東京地方最低賃金審議会に諮問せよ。と要請しました。現行法制上は東京の最低賃金は、東京地区最低賃金審議会への諮問→審議→答申をもとに、東京労働局長が決定します。中央は目安を出すにすぎず、決定はあくまで東京労働局長名で行われます。

これに対して、労働局・賃金指導官からは、最低賃金の決定は、①物価など生活費 ②賃上げの状況 ③企業の支払い能力 の3要素で行うので、「物価だけでは諮問する状況に至っていない」と説明がありました。

そこで 他の要素はどうか質問。

Q1:インフレ手当の支給・ボーナスの回答状況など、数的には十スーパーセントではあるが、賃上げの動きはあるが、把握しているか?

A:特にまとめてはいない。

Q2:東京都区部の地場の賃金は上がっているのではないか? 昨日(12/15)の毎日新聞を示す。目黒でもコンビニ・飲食などすでに最低時給は1200円台、最賃に張り付いているのは、区役所の1110円など、公的支出のところばかりに見える。年度内に最低賃金を上げることが、労働局も含め有用では?

A:東京の賃金水準、東京労働局で調査する体制にはない。

③2022年12月15日 毎日新聞「好待遇でも人手不足」                           *コロナ規制緩和後の状況を「新宿歌舞伎町タワー」開業に向ける状況から報道

労働局要請版20221215毎日新聞

Q3:最低賃金の引き上げに伴う、最低賃金影響率調査は、いつまとまるのか。

A:年1回の集計で、毎年最低賃金の検討に合わせ6-7月に結果が出る。

Q4:東京の賃金水準や、中小企業の経営状況など、東京都が調査、まとめているものが多数ある。都庁との連携は行っているか?

A:特に行っていない。

目黒労協から、ただ厚生労働省に伝えるだけでなく、東京労働局として主体的に取り組んでほしい。また労働局のみならず東京地方最低賃金審議会にも、早期再改定への取り組みをお願いしたい。たとえ東京労働局長が諮問しないでも、「建議」などを行う方法はある。40年前の物価高騰のときは、中央最低賃金審議の建議によって大幅引き上げがおこなわれた。文書を会長以下審議会委員全員の送付するよう要請する。

目黒労協としては、全国一律最低賃金制が望ましいと考えるし、最低賃金法の改正が必要と思う。8月に提出した「異議書」には、それを展開している。しかし今日の要請は、現行の最低賃金決定のしくみ・システムで直ちに取り組むべき問題である。東京労働局にも東京地方最低賃金審議会にも、現状の物価高騰化に苦しむ最賃近傍労働者の状況を考え、主体的に取り組んでほしい、として約1時間の要請を終えました。

④2022年8月16日 目黒労協「東京都最低賃金お低額改訂に異議を申し立てます」               →当ホームページ8月16日に収録

 

なお東京労働局長への東京都最低賃金の早期再改定を求める要請は、

全国一般労働組合全国協議会。全労協全国一般東京労働組合などからも、目黒労協に先立ち12月初旬提出されている模様です。