2024東京最賃1163円 決定過程しだいにあきらかに


10月1日より、東京都最低賃金は時給1163円に。この決定過程など、情報公開により次第に明らかになりました。2025年に向けまとめます。

東京最賃 50円Up 全国で最低額・最低引き上げ率

2024年8月5日、東京地方最低賃金審議会(以下「審議会」と略)は、東京都最低賃金(以下「東京最賃」と略)の50円(4.49%)引き上げを答申しました。

2024最低賃金引き上げ額

51円 全国加重平均
84円 徳島
59円 岩手、愛媛
58円 島根
57円 鳥取
56円 佐賀、鹿児島、沖縄
55円 青森、山形、福島、高知、長崎、大分、宮崎
54円 秋田、新潟、熊本
53円 福井
52円 茨城、香川
51円 石川、岐阜、兵庫、和歌山、山口、福岡
50円 他、東京など20都道府県

2024最低賃金引き上げ率

9.4% 6.6 6.4 6.3 6.2 6.1 6.0 5.8 5.7 5.5 5.4 5.3 5.2 5.1
徳島 愛媛

岩手

島根 鳥取

沖縄

佐賀 大分

長崎

青森

高知

秋田 新潟 福井 茨城

石川

和歌山

宮城

群馬

岡山

岐阜

福岡

富山

山梨

長野

奈良

北海道

栃木

滋賀

広島

加重平均

静岡

兵庫

全国加重平均以下 京都(5.0) 埼玉・千葉・愛知(4.9) 大阪(4.7)   東京・神奈川(4.5)

東京最賃は全国で最低の引上額・引上率続き、さらに差は拡大

2023 2024
引上額 最高 引上率 最高 引上額 最高 引上率 最高
全国加重平均 43円 47 円

(大分 佐賀)

4.47% 5.48%(島根) 51円 84円

(徳島)

5.1% 9.4%

(徳島)

東京 41 円 下から13番タイ 3.82% 全国最低 50円 全国最低 4.5% 全国最低

 

12年連続中央最低審議会目安どおりの引上げ

2024年8月5日、東京地方最低賃金審議会(以下「審議会」と略)は、東京都最低賃金(以下「東京最賃」と略)の50円の引き上げを答申しましたが、12 年連続となる中賃目安額どおりの答申を行いました。12年間一切上乗せが無かったのは47都道府県の中で東京だけです。(2024目安小委資料p49)

この「中賃目安どおり」の最賃決定のため、都市部=Aランク地域、特に東京の最賃引き上げは、全国平均よりはるかに低い2%台に押しとどめられています。(目安小委資料、公益委員見解などより作成)

2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 平均
全国 3.66 2.09 2.31 3.13 3.04 3.07 3.09 0.11 3.10 3.33 4.47 5.1 3.31
Aランク 3.98 2.27 2.34 2.86 2.22 2.93 2.96 0.10 2.87 3.09 4.6
東京 2.24 2.19 2.14 2.76 2.79 2.82 2.84 0.00 2.76 2.96 3.82 4.5 2.89

東京の最低賃金は全国最高といわれますが、毎年の引上げ率では過去9年全国最低です。

なぜ東京最賃は中賃目安どおりなのか

2024東京最賃決定過程

6.25 中央最賃審議会第68回審議会 → 第1回目安小委委員会

会場前宣伝行動 → 審議会・小委員会 傍聴         議事録9/6UP

7. 1   東京第440回審議会  東京都最低賃金の改正決定について(諮問)

傍聴落選 資料など情報公開請求

7.10 中賃第2回小委員会 会場(有楽町国際フォーラム)前宣伝行動

→ 傍聴 記録・資料目黒労協HPに。             議事録9/6UP

7.12 目黒労協意見書提出

 

7.18 中賃3回小委員会 15:00~  会場(有楽町国際フォーラム)前宣伝行動

→ 傍聴 19:15まで 傍聴27名 記録 目黒労協HPに               議事録9/6UP

7.23 中賃4回小委員会 14:00~ 会場(厚生労働省)前宣伝行動

→  記録 目黒労協HPに                                                             議事録9/6UP

7.24 中賃5回小委員会 10:00~   会場(厚生労働省)前宣伝行動

→ 傍聴 記録 目黒労協HPに                議事録9/6UP

7.25 中央最賃審議会第69回審議会 目安答申 15:00~   議事録9/6UP

7.30  東京第441回審議会・専門部会第1回  会場(東京労働局)前宣伝行動

→ 傍聴:落選  7/30 資料など情報公開請求      9/30開示

・提出された 意見書149通

・参考資料として ①7月18日以降受付意見書14通 ②個人メッセージ73通 入手

・傍聴申込 16名  当選 4名 墨塗名簿・メールなど開示される

東京地方最低賃金審議会への意見書

提出された意見書提出者一覧

20240730東京最賃意見書提出者一覧0702_東京都最低賃金の改正決定に係る意見書提出者一覧

意見書:全国一般全国協 

20240730東京最賃意見書① 全国一般全国協 20240702_鯨地方殿低賃金審錨会

意見書:目黒労協、東京地評女性センタ・青年協・パ非連、都教組女性部、江戸川労連、CU豊島、JMITU東京、品川労協

20240730東京最賃意見書②目黒労協、東京地評女性センタ・青年協・パ非連、都教組女性部、江戸川労連、CU豊島、JMITU東京、品川労協20240712_陳京都最低賃金の大幅引き上兵鷲鑿藍

意見書:全労連全国一般、春闘共闘、医労連、地評、民法労

20240730東京最賃意見書③ 全労連全国一般4つ、春闘共闘、医労連、地評、豊島労協、橋本、郵産労6つ20240708_物価高騰に見合う最賃の大幅引上げと、

意見書:豊島労協、橋本、郵産労

20240730東京最賃意見書④豊島区労協、橋本、郵産労東京20240705_意見書

意見書:一覧+東京土建 世田谷・目黒支部

東京土建関係の本部・支部・分会からは、全体の8割以上を占める120通の意見書が提出されました。

20240730東京最賃意見書⑥東京土建 世田谷・目黒0702_東京都最低賃金の改正決定に係る意見書提出者一覧

東京最賃、意見公募を掲示板に張っただけ、後日ホームページにUP

また今回、意見書募集の公示が東京労働局のHPに掲載されず、公示送達(労働局前の掲示板に張り出しただけ)しかなされなかった模様(未確認ですが)。いきなり〆切数日前に東京労働局HPにアップされ、みな慌てて送付、18日夜に東京労働局持参した例(橋本)もありました。このため以下の意見書は「締め切り後」のため「参考資料」として7月30日審議会に提出されました。

東京最賃審議会の意見公募通知、ホームケージ掲載版には「7月1日掲示板に掲示」と追記してあります。

東京最賃意見募集公示第248号001870785

参考資料:意見書 東京弁護士会、渋谷区労連、春闘共闘署名、共産党都議団

20240730東京最賃⑤参考資料意見書一覧、東京弁護士会、渋谷区労連、春闘共闘署名、共産党都議団0718_第441回東京地方最低賃金審議会

 

7月30日 東京最賃検討スタート

7月25日の中央最低賃金審議会「目安答申」を受け、7月30日 第441回東京地方最低賃金審議会は、」2024東京最賃の実質的な審議に入りました。前述の149通の意見書、さらに受付期限後提出として参考資料とされた14通の意見書、73通の個人メッセージと、数百ページにのぼる参考資料(多くは中央最低賃金審議会資料のコピーですが)が提出されました。

今回9月30日になって、情報公開請求の結果、この第441回東京地方最低賃議会(2024年7月30日 13:30回開会)の傍聴者選抜過程が明らかになりました。

第441回審議会 傍聴希望者 16名 傍聴者 4名

密室審議によって、東京最賃は中賃目安どおり

7月30日 第441回東京地方最低賃金審議会は13:30開会され、その後16:00~ 2024年第1回専門部会と続きます。

2023年まで「専門部会」は全くの非公開、開催公示すらされず、開催回数も不明。提出資料も全く非公開。文字どうり密室審議。そこで実質的な東京最低賃金が審議・決定され、中央最低賃金審議会目安答申どうりの東京最賃が10年以上続いてきたのです。

2023年各県の専門部会公開状況

各県の最低賃金の「交渉」は、専門部会で行われます。この専門部会は従来非公開が大半でしたが、今年(2023年)は40道県で部分公開がされました(2023年8月18日「朝日新聞」)。非公開県8県は、中賃目安通り=6県、プラス1円上乗せ=2県、と低額に押さえ込まれています。(目黒労協HP、2023年10月4日参照)東京では8月4日に開催公示すらなく、非公開で1回開催されただけです。

最低賃金を審議する専門部会の非公開

東京 大阪 京都 静岡 福岡 群馬 熊本
各県答申額 1112 1064 1008 984  941 935 898
中賃目安上乗せ額 +1 +1

2024年の専門部会公開状況

2024最賃審議会公開状況(めぐろユニオン東京最賃異議書より:10/5加筆)

資料公開 開催回数 公開 傍聴人数
中央審議会 即日ホームページで公開 公開 数十名
同 目安小委   同  5回 部分公開  同 開催順次公示
東京審議会 開示請求で3週間後入手 公開 4-6名抽選
専門委員会  まだ未入手  5回 今年より部分公開  1回目2名 2回目以降は公示なし 非公開

2024最賃 意見陳述実施状況

少なくとも以下の県で、委員以外の意見陳述が実施されたました。

・佐賀県(県副知事も) ・大阪府  ・北海道  ・長崎県  ・滋賀県  ・千葉県

・鹿児島県 ・秋田県(参考人意見聴取) ・岩手県(参考人意見聴取)   ・宮城県

・栃木県  ・千葉県  ・埼玉県  ・徳島県(県知事も)  ・宮城県  ・広島県

・福岡県

 

今年の各県・最賃審議では、中賃の審議公開拡大:目安小委の部分公開や、審議資料の迅速公開などに応じて、各県専門部会の部分公開や意見陳述の実施など、審議内容の透明化が進んでいます。

初公開 東京最賃専門部会

2024年はじめて、専門部会開催通知・傍聴公募が行われました。これは2023年より中央最低賃金審議会の実質審議の場である「目安小委員会」が、部分公開となり、公・労・使3者がそろう場面のみ傍聴可能になったことに準じたものです。2023年は40府県で同様の「専門部会」公開が行われました。

20240716東京都最低賃金専門部会の開催.傍聴募集通知001885658

専門部会 資料非公開、傍聴2名、しかも初回のみ2-5回は非公開

2024年9月30日、情報公開請求により2024年東京地方最低賃金審議会専門部会の開催状況が明らかになりました。専門部会委員名が初めて明らかになりました。傍聴者2名。

7月30日専門部会 傍聴希望者 12名 傍聴者 2名

20240730東京最賃専門部会式次第傍聴_(2)東京都最低賃金の改正決定に係る意見について

第2回目以降の専門部会 非開示

2024年10月3日付開示決定で、第2回以降の専門部会については非開示決定がなされています。」

「専門部長が非公開としており」と理由が。

10月10日以降、一部開示文書が入手できますので、今後それをUPし、対応も検討します。

情報公開を今後も追求

2024年7月30日第441回東京地方最低賃金審議会への情報公開請求は以下のように多ないました。

同日専門部会、8月5日の第442回審議会(異議審)なども情報公開請求を続けています

10月10日以降、一部開示文書が入手できますので、今後それをUPし、対応も検討します。

20240730第441回東京最賃審議会第行政文書開示請求書