2021年度末:大手企業、希望退職など大人員整理続く
富士通の「3000人早期退職」が映す人材戦略の課題
2022年3月25日 日本経済新聞報道。目黒労協facebookに5月9日収録しました。
富士通が50代以上の幹部社員の早期退職を募ったところ、社員のおよそ4%に相当する3031人が応募した
大手各社で同様の希望退職募集が続いています。
2022年4月1日:東洋経済オンラインは以下のように伝えています。→目黒労協Facebook 5/13に収録
50歳をターゲットにした、“希望退職“という名のリストラの嵐が吹き荒れている。2021年にはJT(日本たばこ産業)(46歳以上の社員およびパートタイマーなど約3000人)、ホンダ(55歳以上約2000人)、フジテレビ(勤続10年以上で50歳以上の社員約3000人)、博報堂DYホールディングス(満50歳以上59歳以下かつ勤続5年以上の社員約100人)などの名だたる企業のリストラ策が公表され、今年はすでに、富士通の「50歳以上の幹部社員約3000人」といった大型リストラを筆頭に、平和、オリオンビールなど、上場企業だけでなく中小企業にまで拡大している。
2022春大企業希望退職
一覧表に整理しました。以下の企業など順次更新します。5/14集計
以下 東京アキバ読書会 2022年にリストラを実施した大企業 をインデックスにまとめました。
https://www.akiba-dokushokai.tokyo/2022-lay-off/
日本たばこ産業(JT)|合計2,868名の超大規模リストラ!社員1,169名削減実施!シニア社員115名、パートタイマー1,584名が退職
日本たばこ産業(JT)のリストラのポイント
- 対象:たばこ事業及びコーポレート部門に所属する46歳以上のJT社員、フィールドパートナー(営業活動の補佐業務に従事するパートタイマー)、シニア社員(定年退職後に再雇用された契約社員又はパートタイマー)
- 想定人数:2,750名程度(JT社員:1,000名、フィールドパートナー:1,600名、シニア社員:150名)
- 応募人数:2,868名(JT社員1,169名、フィールドパートナー1,584名、シニア社員115名)
- 退職日:2022年3⽉末
- 実施公表日:2021年2月9日
- 結果公表日:2022年2月14日
東証プライム(旧:東証一部)に上場する『日本たばこ産業(JT)』は、2021年2月9日に発表していた希望退職募集等の募集に対して、2,868名が応募したことを公表しました。
今回のリストラ策が発表された当初は、『日本たばこ産業(JT)』から2,750名の削減。『⽇本フィルター工業』から200名の削減として、合計2,950名の削減とされていました。
今回結果が発表されたのは、『日本たばこ産業(JT)』の2,750名のリストラに対する結果のみのため、募集人数は2,750名としています。
JT社員:1,000名、フィールドパートナー:1,600名、シニア社員:150名の合計2,750名の募集に対して、JT社員1,169名、フィールドパートナー1,584名、シニア社員115名の合計2,868名が応募しました。
全体として想定人数を約4.3%上回る人数のリストラとなりました。
20220214たばこ事業運営体制の強化に伴う希望退職募集等の結果について20220214_15
フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ)|50歳以上の社員を対象に人数無制限の大リストラ
4月15日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「私が会社を変える時!~50代から輝く働き方!~」に元フジテレビ社員も。目黒労協Facebook 5/13に収録
フジテレビが、満50歳以上の社員を対象に希望退職者を募集した。番組の調べでは、3月末で60人以上が退職。約1億円の退職金が支払われたとも言われている。
実はフジテレビ、4年前にも自主的に会社を去ってもらう退職者を募集。その時に手を挙げた大山泰さん(60歳)は、報道局で記者や解説委員を務め、スタッフを200人ほど束ねていた時期もあった。
フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ)のリストラのポイント
- 対象:満50歳以上かつ勤続10年以上の社員
- 想定人数:特に定めない
- 応募人数:結果公表前
- 募集期間:2022年1月5日~2022年2月10日
- 退職日:2022年3月31日
- 実施公表日:2021年11月25日
- 結果公表日:結果公表前
東証プライム(旧:東証一部)に上場する認定放送持株会社の『フジ・メディア・ホールディングス』は、ネクストキャリア支援希望退職制度の募集を行い、人数を定めず人員削減を実施することを明らかにしました。
今回のリストラは、満50歳以上かつ勤続10年以上の社員を対象に、人数制限をかけずに無制限に行う予定です。
放送業界においては、2021年2月に『日本放送協会(NHK)』が今後3年間に渡って、50歳〜56歳の職員が対象に人数制限を設けずリストラを行うことを発表しており、今後業界全体として厳しさが増していくことが予想されます。
フジ・メディア・ホールディングス|当社連結子会社における「ネクストキャリア支援希望退職制度」に関するお知らせ
加藤製作所|想定を19%上回る119名をリストラし、赤字脱却を目指す!
加藤製作所のリストラのポイント
- 対象:2022年4月1日時点で満45歳以上65歳未満の正社員のうち勤続年数10年以上の者及び2022年4月1日時点で満65歳未満の正社員以外の社員
- 想定人数:100名程度
- 応募人数:119名
- 募集期間:2022年1月24日~2022年2月18日
- 退職日:2022年3月31日
- 実施公表日:2021年12月22日
- 結果公表日:2022年3月11日
東証プライム(旧:東証一部)に上場する建設機械・特装車メーカーの『加藤製作所』は、2021年12月22日に発表していた希望退職者の募集に対して、119名が応募したことを公表しました。
今回のリストラ策は、当初100名の人員削減を想定していましたが、想定を19%上回る119名の応募があったことが明らかになりました。
新型コロナウイルスの影響で、売上高、営業利益が落ち込んでおり、大幅な営業赤字を抱えているため、この状況を脱却するため、今回の人員削減に至ったようです。
20220311加藤製作所希望退職者の募集結果について20220311_news01
ダイドーリミテッド|リストラ第1弾に104名が応募!
ダイドーリミテッドのリストラのポイント
- 対象:株式会社ダイドーフォワードに在籍し、店舗に勤務する社員(正社員、契約社員
および再雇用契約社員) - 想定人数:100名程度
- 応募人数:104名
- 募集期間:2021年12月13日~2021年12月24日
- 退職日:2022年2月10日
- 実施公表日:2021年10月19日
- 結果公表日:2022年2月9日
東証スタンダード(旧:東証一部)・名証プレミア(旧:名証一部)に上場し、NEWYORKERなどのアパレルブランドを運営するアパレルメーカーの『ダイドーリミテッド』は、2021年10月19日に発表していた希望退職者の募集に対して、104名が応募したことを公表しました。
今回のリストラの対象は、子会社である『ダイドーフォワード』に在籍する、店舗勤務の正社員、契約社員、再雇用契約社員です。
当初は、100名のリストラを想定していましたが、若干上回る104名の応募がありました。
新型コロナウイルスの影響で、ライフスタイルや消費行動が変化し、アパレル業界を取り巻く事業環境は厳しい状況が続いており、こうした状況に対応すべく、一部ブランドの休止・不採算店舗の閉店などの施策に伴い、今回の希望退職者の募集を決定したとしています。
同社は、2022年2月28日~2022年3月11日で、追加で20名の人員削減の募集をすることを発表しています。
20220209ダイドーリミテッド|当社連結子会社における希望退職者募集の結果に関するお知らせ 01
博報堂、早期退職100人募集 構造改革、50歳以上対象
博報堂DYホールディングスは10日までに、構造改革の一環として傘下の博報堂と合わせて100人程度の早期退職者の募集を始めたと発表した。来年3月末時点で50~59歳で、勤続5年以上の社員が対象となる。
通常の退職金に加えて特別一時金を支給する。社外でのキャリア形成に向けた選択肢を提供すると説明し、希望者には再就職支援も実施する。業績への影響は軽微だという。受付期間は来年1月14日までで、退職日は来年3月末となる。
20211209博報堂ビジネス変革を踏まえたライフプラン選択支援制度