公務員賃金闘争、ベア勝ち取り決着へ
公務員の賃金闘争、8月の人事院勧告 平均3869円ベア
2023年8月7日、国の人事院勧告が出されました。以下主な項目
①民間給与との較差:3,869円[0.96%]を解消するため、初任給を高卒:約8%[12,000円]、大卒:約6%[11,000円]引き上げる等、俸給表を引上げ改定
②ボーナスを0.10月分引上げ、民間の支給状況等を踏まえて期末手当及び勤勉手当に0.05月分ずつ均等に配分
③テレワーク中心の働き方をする職員の光熱・水道費等の負担軽減のため、在宅勤務等手当を新設[月額:3,000円]
20230823人事院勧告骨子32_5jitumutantousiryou_kyuyo日経新聞報道
日経新聞では次のように報道(10月20日「政府、人事院勧告勧告受け入れ」)
人事院勧告は一般職の月給を平均3869円、ボーナスを0.1カ月分それぞれ上げるよう求めた。若手に重点を置き初任給を大卒で1万1000円、高卒で1万2000円増やす。大卒・高卒の初任給が1万円超上がるのは1990年度以来33年ぶりとなる。
既存のフレックスタイム制を拡充して選択的週休3日制を可能にすることも決めた。1週間の勤務時間は維持しつつ、勤務時間を割り振らない日を土日以外に1日設けられるようにする。
在宅勤務手当も新設する。1カ月あたり10日以上の在宅勤務を一定期間続けている職員に月3000円を支給し、水道・光熱費の負担を軽減する。
全労連事務局長談話
20230808全労連事務局談話2023年人事院勧告にあたって
各地方でも確定闘争、格差との闘い
ベアは平均3,869円(0.96%)、ボーナス年間0.1月分増、という物価上昇に全く追い付かない賃上げの人事院勧告をスタートに、各県、各区・市町村の人事委員会の勧告が続き、各地域で確定闘争が闘われました。
東京都・国・23区特別区勧告の比較
都庁職新聞より
2023確定闘争都・区・国比較会計年度任用職員にも差額を!
全く不十分な賃上げですが、公務員賃金は秋、確定闘争により賃上げが確定すれば、4月にさかのぼって差額が支給されます。(賃下げが確定してさかのぼって差額が期末手当などから引かれたこともあります)民間賃金に準拠する=春闘結果を反映させる仕組みですが、これが正規公務員のみで、会計年度任用職員(非常勤職員)には適用されていない例がとても多いことが気らかになりました。
2023.11.16自治労連Xより
220231116毎日新聞非正規公務員の賃上げボーナス増 勤勉手当増では非正規に反映せず
また、0.1か月増のボーナスですが、期末+勤勉手当で構成される一時金のうち、勤勉手当増が勧告されました(国:人事院勧告は0.5か月分づつ期末・勤勉に)。これはボーナスの「成績主義」強化で、正規職員にも問題ですが、これまで勤勉手当が設定されていない会計年度任用職員(非常勤)にとっては、ボーナスが全く上がらず、正規との格差をひろげる結果となります。
全職員に物価高騰に追いつくベアを!
また、初任給の大幅引き上げが必要とするのは、国・都・区も一緒ですが、全体の1%にも満たない引上げが、初任給・若手に厚くされ、中高年には何百円のベアにもならない勧告になっていました。
これら正規非正規格差拡大・年齢差別・成績主義強化にたいする闘いが取り組まれました。
都労連闘争
東京都に対しては、都労連が交渉。目黒区内では、都税事務所・都立高校・水道局などなどの職場から闘われました。以下は東交(東京都営交通労組)さんのフェィスブックより。
11月15日の回答指定日、都労連は午後3時30分より「第6波総決起集会」を開催し、東交からは1100名が結集した。集会では都労連6単組全委員長が決意表明を行い、翌11月16日の統一1時間ストライキを背景に、都側の不当な交渉姿勢を糾弾し、最後まで闘い抜く集会決議を採択。集会後、都庁包囲デモを行った。
都労連闘争は11月16日未明に妥結
以下都政新報より
都給与改定交渉が妥結/特別給は勧告通り引き上げ/下位の成績率は見直しへ
都と都労連の2023年給与改定交渉は、16日未明の団体交渉を経て妥結した。勧告の内容通り、
例月給、特別給ともに2年連続の引き上げ改定となる。特別給は年間支給月数を0・1月分引き上げ、
勤勉手当に配分する。今年の年末一時金については、都労連が2・7月分を全額期末手当で支給する
ことを要求したが、期末手当を1・2月、勤勉手当を1・175月、計2・375月分となる。
東京23区職員は特区連に団結して
東京23区役所の労働組合は、上部(連合:自治労、全労連:自治労連)の各区職労が「特区連」に団結して、賃金闘争を闘います。23区長会、各区での副区長交渉などに続き東西南北ブロック別集会、総決起集会(中野ゼロホール)などの取り組みが行われました。
以下は目黒区職労フェィスブックより
11月15日 2023年賃金確定闘争 特区連第3ブロック決起集会が開催され、全体で300名を超える組合員が結集し物価高騰に見合った賃金改善を求めました。目黒区職労からは43名が参加しました。
目黒区職労 朝ビラ行動・副区長要請などで闘う
20231031賃金確定闘争朝ビラ以下も目黒区職労フェイスブックより
2023賃金確定闘争
11/14(火)の昼休みに2023年賃金改善を求める区長宛の署名(1468筆分)を副区長に提出に提出し、委員長を含め5人の組合員から要請しました。副区長要請行動には18人の組合員が参加しました。
最終番の朝ビラ
特区連交渉は妥結へ
特区連では、非正規:会計年度任用職員への4月遡及差額支給、ボーナス0.1か月増などを交渉で勝ち取り妥結となりました。
以下、11月21日目黒区職労フェイスブックより
2023年賃金確定闘争
●会計年度任用職員の処遇改善3要求は全て実現!
●区長会から職層構成比の適正化に向けた対応策が示される。
2023賃金確定闘争は、17時からのトップ会談、その後の団体交渉で最終回答が示されました。
①給与改定は人事委員会勧告のとおり実施し、4月1日に遡って適用する。
②一時金(勤勉手当)を0.1月引き上げる。
③業務職給料表は、行政職(一)の改定に準じた引き上げを行う。
④会計年度任用職員(短時間勤務・短期間勤務を除く)に勤勉手当を支給する。2年間は一律拠出なし
⑤会計年度任用職員(短期間勤務を除く)の゙給与の改定時期を常勤勤務と同じとする。※常勤職員が引き上げ改定の場合は会計年度任用職員も引き上げとなる。一方、マイナス勧告の場合は給料は引き下がることに。
⑥会計年度任用職員の一時金(期末手当)の支給月数については、令和5年度に限り、常勤職員が引き上げとなる勤勉手当分(0.1月)を上乗せする。これにより冬の一時金は1.3月に
⑦職層構成比の適正化に向け、能力がありながら、3級職に昇任していない2級職で現給保障者、かつ最高号給者を主査等のスタッフ職に任用する。以上の最終回答が成されました。
これを受けて開催された中央委員会で特区連委員長は、物価高騰に見合った賃金を引き上げることを要求にあげて闘ってきたが、勧告の重みを押し返すことができなかった。しかし、会計年度任用職員の3要求を全てな実現することができた。また、職層構成比の改善に向けた1つの到達点築くことができたと評価しました。
拍手による採択が行われ、満場一致で区長会からの回答を受け入れることを確認しました。