2010整理解雇から12年:JAL争議解決 CCU&原告団による報告会開催

2022年12月10日 カテゴリー:3-イベント タグ:


12月10日、土建目黒会館で、を、日航客室乗務員組合(CCU:キャビンクルーユニオン)のご参加をいただき、目黒労協としてを開催しました。

12:00 目黒労協・石山事務局長の司会意で開会

井上議長のあいさつ

争議解決ごくろうさまから始めましょう。解決したらコロナ前の「争議勝利団結ビアパーティ」みたいにパーッとやりたかったが、今日はこじんまりです。でもおって昼食も出ますので、ご苦労様とねぎらいたいと思います。

内田さん(元客乗原告団長)

「解決」の報告としては7月の解決以降初めてです。このような場を作っていただいてありがとうございます。目黒労協さんとは、団結ビアパーティのみならず、何十回もの宣伝行動などをともにし、お世話になってきました。

CCU原告団は提訴時は72名でしたが、1審敗訴時、そして上告を断念した原告やその後原告団退会など減少しましたが、2021年4月JHU(日航非解雇労働組合)をパイロット3名で結成。CCUからもJHUに加入し客乗19名とCCUは44名で争議を続けてきました。44名は春闘で社長宛のメッセージ(下記に添付します)を提出(41名分)し、団交でも読み上げて交渉しました。会社側も「感銘した、後輩への思い、会社の今後を憂う気持ちなど伝わってきた」とのべられ、会社を動かす大きな力となったと思います。

解雇時のCCU担当者が労務担当:解雇問題責任者に着任。私も当時委員長として交渉を重ね12月31日最後の団交でも同席した人です。2022年経営協議会で社長からも役員でこのメッセージを共有したいと発言がありました。その後社内的に解決がスピードアップされてように思います。株主総会までに解決を求め、その株主総会で社長が「解決に向かっている」と発言し、会社全体でも解決に向かう状況となりました。

この整理解雇は、解雇が年齢の高いものから行われたことから、最高齢は59歳で解雇されすでに70歳を迎える状況の中で、復職そのものが可能な組合員は減少、乗務復職はできなかったが、CCU原告3名が地上職で復職しました。CCUは全員の解決を求め、会社は70歳を超えた人も含め全員「業務委託」、自宅でできる・パソコンを使わない仕事も作る、と提案。会社側の準備もあり11月21日スタートしたばかりですが、体調不調者を除く42名は業務を開始しています。

私は1974年入社、翌75年分裂工作が始まる。解雇の背景には「モノを言う」組合排除があったことは明白ですが、2022年の整理解雇問題の協定書(乗員組合)、合意書(CCU)では、以下の項目

①整理解雇問題解決を通じて労使関係の信頼関係の正常化に努力する                    ②健全な労使関係の安定化が「安全運航の基盤」のひとつであることを確認する
③二度と整理解雇が生じないよう経営の安定化に向けて努力する
④希望者全員に業務機会の提供を行う
⑤問題が発生した場合、引き続き誠意をもって組合と協議する

を、労組のみならず解雇された44名の三者で合意を交わしました。これは私にとっても入社以来最も踏み込んだ労使合意であり、さらに社長名の44名各自にあてた文書を求めました。従来の定年退職者と同様の筆耕者によって氏名が書かれていて名誉回復の意味が込められたレターが全員に出されました。

「解決金」という形は会社も社長も取れないと何回も発言してきています。44名は私たち特別執行委員3名を含め、全員組合員として、解決を図りました。解決にあたり日航のOB会(10年以上勤務が条件)も希望者全員対象で、福利厚生面では優待券も提供される。会社がとりはかってくれたこれも「謝罪」に代わるものかと思っています。毎月の「業務」も今後の課題であるが、解決内容は以上のようなものです。

質疑

Q:解決の意あたって、公表しない事項などはあったのか

A:ない。大会を9月に開催したが、その議案書にもすべて収録している。

Q:「業務委託」での解決を問題視する論議があるが、すでに働く者の4分の一は、ウーバーイーツをはじめとした、「フリーランス」。日本のみならず世界中で労働組合として対応が問われている。「業務委託」が問題というよりは、それらで働く人々も、労働組合として団結する権利、交渉する権利を獲得することにあるのではないか。JAL解決にあたって、全員への「業務委託」としての解決策、難しかったかもしれないが労働組合としての労働者供給事業や「協同組合」での請負などは考えられなかったか?

A:合意項目(労使関係と業務委託)について意思確認をするために全員対象のミーテイングを実施、二回行い、意思の確認に努めた。契約自体は、各原告個人一人ひとりの契約となるが、解決策としての業務委託は、労働組合も関わりながら、個人も組合員として在籍したまま遂行されるので、問題があれば組合が交渉する。上記合意書の⑤項で、今後も問題があれば労使で協議することを確認している。

その後いくつか質疑後、花贈呈。鉢植えにしました。(荷物になってすいません)

ついで乾杯・お弁当となりました。ビールかお茶付き。

その後、参加者全員ひとこと。それぞれの争議体験や、職場のことなど。

大学での非正規雇止めとの闘いや、楽しく明るく闘うこと。争議はみんなの納得で。12年の闘いをねぎらう声が続きました。目黒区在住の原告からも、皆さん元気な現状をお話しいただきました。パソコンの苦労話などなど。。。

目黒労協副議長の締めのあいさつで、3時間ほどの充実した時を終えました。