最低賃金額にちかずく、公契約条例下限報酬額
物価高騰に対し賃上げを求める要請準備として、全都の公契約条例の下限報酬額を調査しました。
最低賃金の上昇で、公契約条例上の下限報酬額は、最低賃金に対して3%程度高いだけの自治体が多く見られます。中には新宿区・国分寺市など、この10月からの1072円を下回わってしまったところも出ました。
来年度に向け、十分な・大幅な下限報酬額引上げが求められます。(公契約条例制度がスタートした当初の千葉県野田市では、税金を使った仕事として「地域最賃の2~3割増しを」と言われていました。
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野田市公契約条例審議会資料 最賃上昇に対する対応など 関東調査含む
この問題に関して、さすが公契約条例の先進、千葉県野田市では公契約審議会において問題の状況把握・指摘、各自治体への調査の報告も行われていました。以下抜粋と元資料
4 現状と課題
中略
当初から状況が大きく変化しており、制度運用において、課題が山積している。
(1)職種別賃金について(業務委託及び指定管理)
〇職種間の差額の妥当性が定かではない。
〇最低額の設定方法が異なることにより、職種間のバランスが保てない。
〇法定最低賃金の大幅な上昇に伴い、特に、市の一般職の職員の給与を基準とする職種について、法定最低賃金の上昇率とリンクしていないことから、最低額が法定最低賃金を下回るおそれがある職種について、法定最低
賃金の上昇率を乗じて設定したため、法定最低賃金を下回るおそれがない職種との間差額が縮小し、場合によっは職種間の逆転が生じ、職種別賃金の維持が困難となっている。
〇職種間のバランスを保つため、全ての職種について一律に法定最低賃金の上昇率と同率で上昇させることが考えられるが、野田市の財政負担が増加するだけでなく、事業者の負担が増加するとともに、事業者内の給与バランスが保てないなどといった影響が生じ、他自治体が公契約条例の制定や職種別賃金の採用を見送る要因となっているとも考えられる。
野田市公契約条例の課題と今後の対応について 202204第1回公契約審議会資料shiryou
最新の公契約条例制定状況
地方自治研究機構 公契約奨励(令和4年10月29日更新)